手紙

先日の大掃除で、目に入る場所にしまってあるのだけど読むには勇気のいる、恩師小嶋先生からのFAXを読み返してしまいました。
何行も読まないうちに心が震えて、涙腺崩壊しました。
それは、私の大学卒業試験での出来事が発端で、先生宛にお詫びのFAXを送信した際の返信です。
いつかも触れたかも知れませんが、私は自信過剰の嫌な学生でした。人が何倍も努力することをやらないで、要領良くスイスイ泳ぐ様な人間でしたので、卒試も舐めていたのです。
曲がどうにも気に入らなくなり、2ヶ月前に変えてしまいました。普通ならあり得ませんが、更に難曲に変えたのです。今迄弾いたことがない曲です。
何とかなるだろうと、先生の必死の制止も聞かずに高を括って、案の定試験では暗譜が分からなくなり、大迷走しました。あんなに恐ろしく、今すぐ弾くのをやめてしまいたいと思った本番は初めてでした。
初めて痛い目に遭ったのです。その日絶望と猛省の中で書いた文章に対して、先生は、
”私は貴方からのFAXを読んで泣いてしまいました。略 いつか、このような日が来るのではないかという危惧がありながらも、私にはどうにもする事が出来なかった。多分、言ったところでどうにかなるものでもないけど、貴方が自ら分からないと何も変わらない。
それをただ見ているだけなのか、言うものなのか、私にはわかりませんでした。”と綴ってあり、”失礼ながら、貴方を見ているとバカは死ななきゃ治らない、という言葉しか思い浮かびません”と書いてありました。
泣きながら吹きましたが、本当にそうです。
このFAXは、封筒に入れてあり、道に迷った時、大きな本番がある時に読み返す、と表に自分で書きましたが、今迄、畏れ多くて読み返せなかったのです。
その日は、古い手紙も整理して、12年前に亡くなったおばあちゃんからの手紙も読み返してしまい、蓄積した馬鹿さ加減の反省で、わんわん泣きあげてしまいました。
成人の御祝いの礼状に対する、祖母の達筆と温かい愛情が伝わります。
先日、生徒さんの親御さんから、我が子が今迄ピアノを続けて来れたのも先生のお陰です、、という、身に余る真に有り難い手紙を頂き、もう止まりません。すみません、こんなものを先生にして頂いて、、。恥ずかしいものです。もう私を先生て呼ばないで下さい、師匠に馬鹿とはっきり言われております。
馬鹿なりに一生懸命やって行きます。
これが来年の私の目標です。
少しでも人様の役に立てる様に、喜んで貰える様に、謙虚に一生懸命やります。

安佐北区 ピアノ教室 可部 長西 純子ピアノ教室