多彩なペダル

フランス語では単語の子音と、続く単語の母音をリエゾンして流れるようにふんわりと会話します。鼻から抜けるような息を吐きながら話す鼻母音も特徴的で、全体的にとても優雅でエレガントな印象を持ちます。フランス語で話す言葉とドビュッシーの音楽の関係もやはり同じニュアンスを持ち、柔らかいペダリングの中に芯があるタッチで弾く感じが、会話と似ていると感じました。
ドビュッシーを弾く場合のペダリングですが、空間に響く音の響きを重視して、音をつなげるだけでなく、ペダルによって生み出される音色を良く聴くように心掛けて下さい。まずは音を聴いてペダルを踏みます。ペダルを底まで全部踏むと音が単一になってしまいます。ハーフペダルで響きを空間に漂う煙のように淡くしてみたり、何度も踏み替えてペダルを重ねて水彩画の滲みのような線のはっきりしない、柔らかいグラデーションを作ったりします。少し浅く踏んだり、ハーフペダルにして声部を引き分けたりします。それぞれの曲に合わせて踏み方は違いますが、ドビュッシーの作品に触れたら印象派の絵画を見て、作品のイマジネーションも膨らませて下さい。

安佐北区 ピアノ教室 可部 長西純子ピアノ教室