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ベンジャミン・フリス ピアノコンサート

今日は素晴らしいお天気ですが、子供の回復と交代してすっかりダウンしてしまって、半日臥せておりました。明日は元気になります。

昨日、お世話になっている調律師さん工房が道路拡張の為取り壊しになるので、そのお別れコンサートに伺いました。招かれたピアニストはベンジャミン・フリスさん。

実に輝かしいご経歴をお持ちながらソロリサイタルを頑なに固辞し、室内楽に活路を見出しご活躍をされているピアニストです。それは、ソロリサイタルで息長く活躍出来るピアニストは世界でもごく僅かであり、自分は室内楽でやって行くとした、また今ソロリサイタルを引き受けたら、一緒に室内楽をやっているメンバーに失礼だからやらない、ということでした。それを今回招聘されたMCS ヤングアーティストが5年掛けて日本でソロリサイタルを、と口説いても常にNOであった返答が、ダメ元で再び依頼をした。しかし、同時に広島に来て頂けないか、と説得したところ、僅か1分半で承諾を得たという概要でした。原爆で被災した被曝ピアノがあり、関係者に大事に所有されたそのピアノを修復し直した調律師がいる、その工房が近く取り壊しになる、また平和の為にこの被曝ピアノを弾く事は意義がある、この依頼を断る事は音楽家として道に外れるという使命感に基づいて奇跡の開催でした。(半分端折りましたが私の記憶を辿り概要を書き並べました)

お世話になっている調律師さんの工房お別れコンサートに、こんな素晴らしいピアニストが来広されて(しかも地元です)東京でもやっと、やっと、やっーーーーーーーーっと長年お願いし続けて実現したソロコンサート、待ち望んだ垂涎もののコンサートでした。

前半は明子さんのピアノでスカルラッティ、フィールドのノクターン、ショパンのポロネーズ、舟歌を休みなく続けて。みな集中して聴き入りました。紡がれる音がオールドピアノの様な深い味わいがあり、繊細で品のある美しい響きを生み出していました。ショパンの時代のサロンコンサートはこのようであったかのかなと、錯覚するような感覚でした。皆が貴重な時間を共有し、被曝ピアノの人生に立ち会っているかの様な時間が流れました。

後半はデームス先生が所有していたベヒシュタインで、ブゾーニの作品とベートーヴェンのピアノソナタ田園です。

イギリスの作曲家でノクターン創始者のフィールドの作品を初めて聴きましたが、美しい旋律でした。ショパンも素晴らしく心震えました。田園は室内楽でご活躍のフリスさんらしい選曲でした。多彩な声部を豊かに歌い上げ、ふくよかで楽器全てが共鳴していました。素晴らしい演奏でした。大好きな作品です。

昨日は広島テレビや中国新聞からの取材も入っていました。

こちらの工房に60名ほどのお客様が。

アンコールにシューベルトのアンプロンプチュ、バッハの作品を演奏して下さいました。

天気も良く、記念すべき素晴らしい演奏会でした。一緒に行った生徒さんは会場まで送迎して下さいました。ありがとうございます!

フリスさん、生徒さんとパチリ

実に気さくな方でした。

昨日の音楽会を通して、改めて音楽に関わっている時に自分は生きていると実感するのだと思いました。

指導ももちろんですが、音楽に関われて幸せです。

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