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可部の街に響き渡るロシア

昨日の事ですが、可部の旧道にあるかしわや入江さんにて、松本和将先生のリサイタルがありました。

というか、広島の市内や幾多の大ホールではなく、築150年という町家の風情あるサロンでのリサイタルです。一体どの様なご縁でお越し頂けるのでしょう。そちらが気になりながらも、もう絶対に行くぞと意気込んだはいいけど、お子達は行かれない演奏会は心痛むもの…毎度毎度の両親へのお願いも言い出し難いもの…やはり諦めるかと意思消沈していましたが、親切な友人が預かって下さり、母は出掛けました。本当にありがとう!有り難くて仕方ないです。

開演30分前に到着したら、お知り合いや先生や音楽関係者ばかりでした。座った席の前が院で同期のご主人様だったり。隣の席には勉強会で一緒の美人先生だったり。演奏会に集まる方々も縁があるものです。

それで、本当にこぢんまりとした、上品なサロンで演奏されるプログラムが、オールロシアものでしたので、えっ?と思わざるを得ませんでした。

ラフマニノフ、チャイコフスキーの四季から、スクリャービンのエチュードとソナタ5番、休憩を挟んでムソルグスキーの展覧会とガッツリ、どっかり、ごてごてのロシアものオンパレード、重厚で物凄いプログラムでした。ここで聴かせて頂けるなんて勿体無いような、何かの間違いの様なプログラムで二度びっくりでした。

パリの友人から幾度か聞いている武勇伝をお持ちの松本先生がひょこっと現れて、凄まじく深く、憂いを持ったラフマニノフ、貴族的な品のあるチャイコフスキー、厚みのある演奏と明確な解釈でピアノが奥底から轟き、フォルティッシモがごうごうと鳴りきってこんなに陰影のくっきりとした判りやすいスクリャービンは初めて聴きました。5番てこんな音楽だったかしらと⁇何となく流しているところがクローズアップされた演奏でした。

後半の展覧会は構成力が素晴らしかったです。ムソルグスキーはスクリャービンみたいにごちゃごちゃしてなくて、ラフマニノフみたいにねちねちしてなく、チャイコフスキーみたいにお上品な部分がなく、(勝手な解釈です)どちらかと言うと単純明快な音楽、柱と柱の組み合わせで出来ているシンプルさがあり、そこが誤魔化しが出来ない怖さであり、簡単そうで難しい、出来そうで出来ない作品ですが、以前聴いた男性ピアニストの展覧会よりも数段上、そのお人柄も解釈も加わって演奏は素晴らしかったです。聴けて本当に良かったです。窓の外を見れば車が忙しなく走っている可部の現実があるのですが、ここでは類を見ない演奏会が行われているミスマッチにくらくらしました。

また是非お越しください。もう無いかな、こんな機会。素晴らしかったです。ブラボー
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