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コピー譜の弊害

先日のギロック叙情小曲集を用いた講習会でも、作曲家が心血を注いで創り上げた息吹は楽譜に全て集約されている事を、しみじみ思いました。
楽譜は、音楽に関わる人にとってはバイブルです。この上なく大事で、作曲家の意図が何もかも凝縮されている。それを読み取って楽器で再現する作業が演奏ですが、楽譜はコピーせずに購入して勉強しましょう。
楽曲の一部を勉強するのであっても、楽譜を持っていれば作品の解説も作曲家の生い立ちも書いてあり、より内容を深めることが出来ます。
それに、その他の作品も集約されていて、いろいろなキャラクターの作品を知ることが出来ます。その作曲家の楽式も作曲技法も勉強出来ます。
その楽譜丸ごと作曲家の情報ですから、一曲から派生して、他の作品にも興味を持って楽譜一冊はやってみましょう。これが本当の財産になります。
楽曲の一部のコピーを渡すのも、自分で所持するのも私もありますが、これは10年後どうなるか⁇というと、十中八九、ゴミの運命を辿ります。
楽譜という価値に対価を支払っていないので、存在が軽いのです。勉強が終わり、本棚に入れたら、次第に他のものとの摩擦で紙がボロボロになってきます。ただの紙切れは経年劣化でぐしゃぐしゃになり、棚を占領する捨てるに捨てられないものから、捨てたいもの成り下がるのです。引越しの機会があれば、簡単に処分されてしまうでしょう。
もしくは、所持するのがコピー譜だったが為に、30年後に見つけて、あー、、あの時に弾いた曲だ、ちょっと弾いてみたいな、という気が起きても、作曲家も作品名も分からない、これ、なんていう作品のなんていう曲だろうか⁇とクエスチョンが浮かび、楽譜があれば良かったと悔やむ事態になるのだと想像出来ます。
これでは、作曲家も楽譜も浮かばれないし、コピーされた楽譜も浮かばれません。
転写されただけに一部から切り取られて、大事にされなくなり、そのうち捨てられて、ああ森林資源の無駄使い、バタフライ効果で地球規模の損失です。
楽譜は財産であり、持っている人の宝なので、簡単にコピーで済ませないようにしましょう。
もしコピー譜を持っているなら、バラバラにならないように製本作業して大事に保管しましょうね。いつか楽譜に替えて手元に置いておくようにしましょう。

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