パリ珍道中 ②

無事オルリー空港に到着し、エールフランスバスに乗り込みました。ポルトを14:30に出て、パリ着は既に夕刻でした。
後輩との待ち合わせをバスの終着駅のアンヴァリッドにして貰い、およそ40分、街中を移動します。同じバスに乗り込んだ人は少なく、10人も居ませんでした。車窓からの景色は丁度ラッシュアワーの様で、帰宅している人達が見えます。そして、なんてお洒落な風景なのでしょうか。美しく、何もかも洗練されていて、ため息が漏れます。今迄滞在していたポルトがとても古い町並みであった事に気が付きます。あちらは近代的なオフィスビルがなかったのです。バスの後部座席でルルルル、と電話が鳴る音が聞こえました。「アロー、ウィ⁇」…ここはフランスなんだなと実感しました。しばらくすると、モンパルナス駅に着きました。巨大なモンパルナスタワーが見えます。帰宅する人達が駅から溢れかえっています。
ここで殆どの乗客が降りました。鞄をぐっと手繰り寄せて、車窓からの景色を眺めます。カフェで脚を組んでお茶をしている人々が目に入ります。私だって。
次第に暗くなって来ました。ポルトよりも日が沈むのが早いです。心細くなった18時に終点のアンヴァリッドに着きました。ナポレオンのお墓がある場所です。足元ふらつきながらバスを降りると、後輩が出迎えてくれました。懐かしい顔を見た途端何かが緩み、涙が出そうになりました。
重たい重たい荷物を押すのを手伝ってもらいながら、アレクサンドル3世橋を歩きます。パリで最も美しい橋として有名な橋です。闇に街灯が照らされ豪華絢爛な装飾が浮かびます。綺麗と見惚れていると、目の前でカップルがブチュウ、と。。思わず赤面して他所を向くと、その先でもブチュウ、、、あっちこっちで熱い抱擁と長いキスが。後輩は気にならない様で普通に歩きます。。こ、これも風景の一つなのだ、と言い聞かせ、勤めて普通に歩きました。ブローニュの森の近くの後輩のアパルトマンへと、バスに乗ってようやく重たい荷物を降ろせました。
その晩はハンバーグをご馳走になりました。美味しかったです。忘れません。ありがとうね。りょうこちゃん。

続く

安佐北区 ピアノ教室 可部 長西 純子ピアノ教室